絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

2019-01-01から1年間の記事一覧

日本画の定義は、素材論なのか精神論なのか No.54

記憶に残ったテレビ番組で、「ETV特集 世界の中の日本画」というものがあった。 このテレビ番組をみた時期は、大学一年生の半ばだったような~二年生のはじめだったような…そんな感じの曖昧な記憶である。 今回の話の中心は、このテレビ番組になる。 学ぼう…

盗難とその後4 No.53

母から大学への手紙 母は大学へ電話をしていただけではなく、匿名で手紙も送っていた。 その手紙の存在を知ったのは、大学4年生になってからで、僕は大学の事務員から直接見せてもらったりもした。 でも、その手紙が送られていた時期の僕は、母がそんなこと…

盗難とその後3 No.52

母との喧嘩 (後半) 大学でのことで、僕と母が喧嘩を始め、割りと早い時期。 母は大学へ電話で連絡を取って、ある日本画の教員から事情や状況を聞いていた。 盗難と進級出来ないであろうことを、僕は母に話し、そのことを切っ掛けに何度も繰り返しているのだ…

盗難とその後2 No.51

提出期限 S先生が僕に言ってきたことで、 『どんな事情があろうと、提出期限を1日でも過ぎれば、その課題は受け取らない。』 という話があった。 僕はこの言葉をその通りに受けとめていた。 しかし、後から同級生達をどう見ても、提出期限を過ぎながら、制…

盗難とその後1 No.50

自由課題での模写 動物画の課題の最後の辺りで多くの画材を紛失したことで、そこからの課題にもその影響は受けてしまう。 動物画の後の自由課題では、画材が足りないこともあり、水墨淡彩という感じのものをやっていたと思う。 (といっても、課題としては許…

動物画制作2 No.49

盗難とその対処 1年次の後半から、僕は課題を自宅で制作していた。 それでも、裸婦のデッサンの様な、大学でしか制作できない課題は大学で制作していた。 大学で制作しない事情のひとつは、同級生達とのトラブルや盗難問題や絵への悪戯によるもの。 もうひ…

動物画制作1 No.48

花鳥画を学びたかった気持ち 裸婦のデッサンの課題の後、動物画の日本画制作の課題が始まる。 この課題に限った話ではないのだけれど、大学の課題制作の段取りとして、最初に小下図相談というのを毎回行わなければならない。 この動物画の課題では、その小下…

2019年 第9回 創作表現者展

2019年12月6日(金)~13日(金)まで、ドラード和世陀さんにて、創作表現者展が開催されています。 作家さん100名規模での展示で、その出品作品のなかに、僕の絵も交えて展示していただいてます。 『微睡み』 アクリル画 SMサイズ 僕の絵に関しては、昔…

労働裁判、ようやく終えましたよ。

2018年5月より、横浜裁判所で民事訴訟を始め、2019年11月でようやく和解し、終えることが出来ました。 内容としては、何年か前に勤めていた会社へ、未払いの残業代請求を行ったものでしたが、相手会社からは泥試合に持っていかれ、最後まで苦労す…

自分の為のデッサン2 No.47

木炭デッサン 僕個人の意識では、木炭の扱いが上手くいかずに困っていた。 木炭紙(木炭デッサン用の画用紙) へ思うように木炭を乗せられず、濃い黒が出せないでいる。 浪人時代、一緒に頑張っていた洋画や彫刻の生徒達の木炭デッサンは、もっと濃い黒を木炭…

自分の為のデッサン1 No.46

今回の話は、裸婦デッサンの話になる。 細かくいうと、デッサンではなく素描という授業・課題名となる。 素描もデッサンも同じ意味合いのもので、今回はどちらも統一する意味合いでデッサンと書いている。 そして、前回に書いた新入生歓迎会での出来事は、こ…

新入生歓迎会2 No.45

彫刻科の江崎さんと日本画の先輩であるDに質問責めされた後、その時の授業の兼ね合いから、日本画校舎のアトリエへ向かう。 それから、廊下でS先生に声をかけられる。「高木、お前は友達居ないのか?」 突然そう聞かれると、僕は一度、この件の話を隠し誤魔…

新入生歓迎会1 No.44

新入生歓迎会 新入生の歓迎会は、毎年の恒例であった。 出席するしないに関わらず、2年生以上はみんな会費を払わなくてはならない、という流れで毎年やっていた。 僕は会費は払っても出席する気は持てないでいた。 これ迄に書き綴ってきた様に、僕は入学し…

大学一年生の学年末 No.43

K先生(女子)の退職 一年生の学年末の時に、K先生(女子)は大学を退職した。 細かな事情通などは全くわからないが、退職時に花を渡したいからと、大学の先輩からお金の徴収を求められ初めて知った。 僕はK先生(女子)が退職するということに、悲しいとか寂しい…

1年生の後半。没骨法と鉤勒法と朦朧体 No.42

課題の提出期限 1年生の後半は、提出期限に苦しんでいた。 僕は課題を1枚ずつ丁寧にやろうとして、時間をかけすぎてしまう。 でも教員達の視点では、僕の絵は絵具を厚みを持たせて塗っていないことから、水彩画みたいなもので制作時間は短い筈だ、という決…

大学一年時の裸婦デッサン No.41

大学の課題で、はじめての「裸婦デッサン」が始まる。 僕に関しては、裸婦の着色写生やデッサンは、浪人時代に何度か行っていた。 しかし、同級生のなかには、この時が初めてだと語る生徒も結構いる。 裸婦のデッサンでは、人の体のかたちを捉える為に、実際…

改組 新 第6回日展~個人的な話も含めた感想

改組 新 第6回日展 日展を以前に見たのは、いつ以来でしょうか~久々に観てきました。 というのも、僕はリーマンショックの辺りで仕事を失い、その後は黒い企業さまへ入社してしまいまして。 それ以来、休みらしい休みもとれなくなっていき、展覧会へ足を運…

電話 No.40

僕は美術大学に入学してきたけれど、大学での人間関係や絵の勉強も、これまで書き綴ってきた様に、メチャクチャな状態にあった。 でも、このことを具体的に母へ話し始めたのは、半年以上経過した、それなりに月日が経過してからだった。 母へは、授業料の工…

本から絵を学ぶ2・竹内栖鳳の本 No.39

竹内栖鳳 大学1年生の半ばあたりで、竹内栖鳳(たけうち せいほう)という日本画画家に興味を持ち始めていく。 竹内栖鳳の絵を見始めたのは、K先生(女子)が「前田青邨の絵が好きです」と語っていたことを切っ掛けに買った本のシリーズのなかにあった一冊であ…

本から絵を学ぶ1・大学で学ぶ姿勢 No.38

顔彩 画学生時代には、いつも絵に関係する本を読む様に心掛けていた。 自分を高める為に、何から始めたら良いのかわからず、大学の教員達とのやり取りからも、それを知ることが出来なかったので、とりあえずは本を読むことしか思い付かなかった。 僕はもとも…

ガラスと布を組み合わせた静物画3 No.37

講評会 この静物画は制作途中のまま、講評会に持っていく。 なぜ制作途中になったのかというと、右上の照明器具が上手くいかなかった。 何度も修正したり、塗りつぶして描き直しても、形に違和感を感じてしまう。 ただでさえ、時間のかかる作業を選んで行っ…

ガラスと布を組み合わせた静物画2 No.36

制作と不安 絵は、長い時間をかければ良いものになるという訳ではないけれど、細かな作業や丁寧な作業を心がければ、それだけ時間もかかってくる。 そんな感じで、僕は課題制作では毎回、時間をかけすぎる程に時間をかけていた。 その関係から、今回の『静物…

第87回独立展と第73回二紀展を観てきた感想

ここ何ヵ月かは、画学生時代の話を続けて書き綴ってきました。 話はまだまだ続くのですが、今回はその件は置いといて、別の話となります。 独立展と二紀展 先日、新国立美術館へ行き、独立展と二紀展を観てきました。 どちらも隣り合った会場で展示していた…

ガラスと布を組み合わせた静物画1 No.35(34は統合しました)

No.34の話は省きました。 ガラスと布を組み合わせた静物画 今回の話は、夏休み明けの課題になる。 課題の内容としては、複数のガラスや布等、それと任意のモチーフを組み合わせて描く様に指示されていた。 そして、僕はこの「静物画」に照明器具と石膏像を組…

アルバイト No.33

アルバイト 長いこと学生時代の話を書いている訳だけど、時系列で言うと大学の前期は終わり、夏休みに入った辺りになる。 僕は先々のことを考えて、アルバイトを始める。 そのアルバイトは、個人が経営している小さな居酒屋。 そのアルバイトをやろうと思っ…

絵の方向性3 No.32

本 一学年の後半に入ってから、絵を描く部分に関しては、教員達へ質問を持ちかける考えはなくなっていった。 強要時の指示が理解できない、というのは多々あって、僕が質問することというのは、それくらいになっていく。 それでも、日本画に関して知りたいこ…

絵の方向性2 No.31

自分の進みたい方向 自分の描きたい絵は、どんなものなのか… 色々と考えながら絵を描いてきたけれど、十代の後半頃によく思い浮かべたのは、高校時代に好きだった女の子のこと。 その女の子から感じる曲線や色や雰囲気など、その感じを日本画の美人画に重ね…

絵の方向性1 No.30

教員達の教える絵 美術大学の教員達とのやり取りを何ヵ月もしていると、「教員達の好む絵」も少しずつわかってくる。 その「教員達の好む絵」の話は、今回の内容には大事なことなのだけど、そこを語るのは少し後回しになる。 僕が大学で学ぼうとしていた日本…

デッサンの話4 No.29

アメーバブログからはてなブログへ記事を移行する過程で、手直しをしながら投稿している。 デッサンの話に関しては、かなりの手直しをしていて、元の投稿とは別の話のようになっている。 アメーバブログを書いていた時は、当時の事を思い出すことに重点を置…

デッサンの話3 No.28

疑心暗鬼 僕は幼い頃から、一人でずっと絵を描いてきたけれど、大学入試を意識した頃から、きちんとした絵画の基礎を学んだ。 そういう経験からも、僕は、自分の腕に多少の自信は持っていた。 その上で、美術大学で絵を学ぶ訳なのだが、どうにも噛み合わない…