絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

日本画制作の為の裸婦デッサン7 No.63

教員達からの質問

 その日の裸婦の写生の時間が終わった後、K先生(男子)から「研究室に来なさい」と言われて研究室に行く。


 因みに、その日はたまたまS先生は学校に居なく、S先生以外の先生全員が研究室で僕を待っていた。

 K先生(男子)は「それで、何があったんだ」と聞いてくる。
 僕は、この件で誰かから話を聞いたかを質問し、K先生(男子)は「何も話は聞いていない」という。

 僕は、アトリエ(教室)で語ったのと似通った話をする。

 この問題が起こるよりもずっと前から、同級生間では色んなトラブルが起きていて、今回のこの件は、かなり込み入ったものの断片であること。

 そのことで、僕は全部を話すか、必要最低限のことを話すかで迷っていた。

 その全部を話そうとしても、これまでのやり取りの経験上、教員達はそこまで話を付き合っては貰えない。

 内容の面でも、僕が語ろうとする話は、教員側の見栄や意地といった部分で、話した通りになど聞き入れては貰えない。

 必要に迫られれば、話すべきことは話そうと思うが、同級生達から何も話を聞いていないというのならば、僕からトラブルに繋がるような話をするのは控えたい。

 同時に、こういうトラブル関係のことを喋ってしまうと、当事者以外の処でも話は広まり、問題の収束や和解から遠ざかる様にも考えていた。

 そういう僕の考えは語ったけれど、直接的な話は全くしなかった。

 このやり取りの最後の辺りでは、?先生(この年に大学の教員になった先生で、名前は覚えていない)から、こう質問を受ける。

 「じゃあ、こういう聞き方をするけど、この問題は解決したのか?」
 僕「解決はしていませんが、僕側から彼等に何かをする気はありません。
 今回の事をきっかけに、あいつ等が何もしてこなくなれば、結果的に終わったのと同じ事だと思ってます。
 それでもまた何かが起こったなら、それ以降は、何かしら話すようにします。」
?先生「本当に何も話さないんだな。
それで本当に何も起こらないのか?」
僕「先生達がこの件を深く知ろうとするほど、あいつ等は嘘をつくしかなくなり、また新しい何かは起きますよ。」
I先生「これから何も起きなければそれでいいけど、いつまでも根に持って陰湿な事をするなよ」
僕「わかりました」

 こんな会話の末、僕は教員達から解放された。

 

放課後のやり取り

 教員たちとの話を終え、荷物をとりにアトリエ(教室)へ戻る。

 そのアトリエには、ToとS(男子生徒)とTaとの三人で話し込んでいた。

 そして、この場面でもToはS(男子生徒)とTaの二人に対して言い訳をしている。

「高木が勘違いしているだけで、俺は何も悪くない」
「高木はもともと頭がおかしくて、何もしていないのに、突然キレだす奴なんだ」

 等と熱くなって語っている。


 いつもなら、彼等が僕への悪口をどれだけ語っていようと、僕は無視をして、相手にすることはなかった。

 そんな毎日であったから、近くに僕がいる状況下でも、堂々と僕の悪口を口にして、そういう行為を同級生たちへ見せることで、見栄を張ったり優越感を感じながら、皆で笑ってきたのだ。

 しかし、今回ばかりは、僕も無視をしなかった。

 僕は三人の所へ行き、息巻いているToに話しかける。

「おい、まだそんなこと言ってるのか。
お前が何も悪くない訳ないだろ。
いい加減に、悪ふざけがいき過ぎてる事ぐらい理解しろよ。」
Toは、怒鳴りながら言い返してくる。
「俺は何もやってない。
あの時は、突然高木がキレて怒ってきただけじゃねぇか。」

「いいや、お前(To)は俺が話しかける直前まで、名指しで俺の悪口を言っていた。
午前中の学科の授業でも、S(男子生徒)やK(男子生徒)とかと一緒に、俺の悪口で盛り上がって、授業そのものの妨害もしてたじゃねぇか。
あれだけ派手に騒いだりしてきて、今更何もしていないなんて、よく言えるよな。」
To
「お前の悪口なんか誰も言ってねぇよ。
じゃあ高木は学科の悪口の事であの時はキレてたんだよな?
学科でのことなら学科の時にキレてくれないとわからないよ。」

「お前は全部わかっていて、わざとそういう事を言ってるよな?
俺が直接Toに話しかけた瞬間も、お前はモデルさんの前で、俺の悪口を言ってたんだよ。
モデルさんの事以前に、お前等は一年以上前から毎日ずっと俺の悪口ばかり言って面白がってたよな?
俺の事だけを馬鹿しているだけなら、俺もある程度は黙ってはいるけど、俺に拘わる人間にまで迷惑をかけてきたんだから、黙ってはいない。
俺はそういう卑怯なやり方を許す気は無い。」
To
「そんな事やってねぇよ。
そんな一年以上前の事で、今頃キレられても訳わからん。
もし仮に、高木が言ってる様なことをやっていたとしても、証拠がなければ話にならないんだ。
ビデオカメラやカセットテープとかに記録をとってないなら、もうこの話も終わりだ。
お前は馬鹿だからそんな事もわからないんだ。
じゃあな。」

「おい、逃げるなよ。
証拠がなければ話にならないんだな?
じゃあ、この場でお前の事をぶん殴っても記録に残ってなければ全部許されるって事だよな?」
Toは怒鳴る
「やれるもんならやってみろ!」

僕はToに詰め寄る。

S(男子生徒)とTaは僕を止めようとするが、力ずくで迫りToの首を右手で掴む。


「このままボコボコにしてもいいんだよな?
それで骨とか折れても証拠がなければ話にならないって話だろ?」
To
「そういう意味じゃねぇよ」

「じゃあどういう意味だよ」
To
「俺を殴って気が済むなら、気が済むまで殴ればいい」

「おう、だから俺の気が済むまで殴ればいいんだろ?
気が済む前にお前の骨が折れたりして、怪我のせいで気が済むまで殴れなかった場合はどうしたらいいんだ?
日を改めて、気が済むまで殴っていいのか?」
To
「そういう意味じゃねぇよ。」
僕は怒鳴る
「じゃあどういう意味なんだよ!
お前が言ってる証拠の話はそういう事だろ!
こうやって偉そうな事を言ってるのも、結局はまわりに庇って貰い、あやふやにして終わらせることが前提なんだろ?」
To
「高木はバンバン柔道やってるから卑怯だ。
俺と殴り合いをしても、高木は暴力で、絶対に俺に勝てるもんな。」
S(男子生徒)とTaは、僕がToの首を掴んでいる辺りからずっと「暴力はダメだ」と言って僕を止めようとしている。
そのS(男子生徒)とTaに対しても、僕は話す。
「おい、俺は暴力なんか実際には振るってないだろ(いま思えば、首を掴んでいるのは暴力かもしれない)。
暴力を振るってない人間を止めるより、Toの言ってる『やれるもんならやってみろ!』の発言をまず止めるべきじゃねぇのかよ。
いま仮に俺がToに暴力を振るっていたとしても、Toが許可してるんだから俺は悪くないんじゃねぇのか?」

僕はToの首を絞めながら言う。
「もう一回言っとくけどな、俺の事を馬鹿にするだけならある程度は我慢する。
でもなぁ、俺に関係する人間に危害を加えていくやり方を、俺は絶対に許す気はないからな。

殴り合いに限っていえば、お前の仲間関係を全員いっぺんに相手しても、俺は一人で勝つ自身あるからな。」
この言葉を最後に、僕はこの場を去るつもりだった。

しかし、この発言の直後にToは頭を下げて、こう発言する。
「すいませんでした。
はい、これで今までの事は全て無かったことにしてくれるんだよな?」

「そんな訳ねぇだろ」
To
「高木が謝れって言ってるから、こっちは仕方なく謝ってやってるんだ!
訳のわからん奴だなぁ。
俺は今までもこれからも、高木の事なんか一切相手にしない。」

「じゃあこれから一切、俺のことなんかを口にするなよ。」
To
「だから高木の事なんか、最初から誰も話してなんかいないって」

「じゃあ次に俺の事を話してたら、Toの話は全て嘘だという事だ。

そのときこそ、お前(To)のことは、気が済むまで殴らせて貰うからな。

そういうことでいいな?」

そう言って、今度こそこの場をさろうとした時に、Taはこう発言する。
「これでこの話は全部終わったんだよね?」

「知らねぇよ。
お前等が俺にちょっかい出し続ける限りは、いつまでも終わらないけど、何もしてこなければこれで終わりだ。」
Ta
「高木はお前等って言ってるけど、この話は高木とToとの話で、俺達(TaとS)は関係ない」

「うるせぇな。
TaもS(男子生徒)も、今後ちょっかい出してきたら、そこからの扱いは同じだ。

ちょっかい出してこなければ、それで終わり。」

この後も、TaとS(男子生徒)は何かを僕に言っていたが、僕は無視して教室を出ていく。

 

 本音を言うと、僕にとっては、Taがよく持ち歩いていたサバイバルナイフが一番怖かった。

 自分が特別強いとかは思っていないけれど、格闘技経験がなくてヒョロヒョロしてるか太っているかだけの彼等に、殴られるのが恐いという考えはなかった。

 この時に口にした殴る殴らないの話は、悪意への抑止としてのもので、極力そういう状況に向かわないようにと警告したものだ。

 それでも、勝ち気な性格のTaから、不意に刃物で刺され切りつけられたなら、僕に格闘技経験があると言っても、簡単に怪我は負わせられるし、僕の命も落とすこともできるだろう。

 そこまでのことをする訳がないと信じたい気持ちはあるが。

 この者達が、それを信じられる様な存在であると信じられる程、僕は彼等を信頼していない。