絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

日本画教員との話し合い1 No.101

話し合いでの約束

 日本画の教員達との話し合いの前に、まずは彫刻のK先生とふたりで話をする様にと指示を受けた。
 その後で、僕と日本画の教員たちとの話し合いを始め、彫刻のK先生は中立的立場で間に入るという流れだ。


 彫刻科の校舎内で、K先生(彫刻教員)と初めて会い、これまでの話をしていく。

 日本画のK先生(女子)のことや洋画のM先生とのこと、前年度に行った他校の再受験の話に関しては、話題にはしなかった。

 

 話のはじまりは、僕が一年の浪人生活を送って、必死に絵画の基礎を学んだことから説明した。

 『僕は洋画・彫刻・デザインを各々専門としている人達に、絵画の基礎を学んだ。

 だから、僕の持つ絵画の基礎であるデッサンや着色写生等は、洋画・彫刻・デザインの分野の人達とは通じるものを持っている。

 しかし、僕が持つこの基礎はこの大学の日本画の教員達には通じず、そのことに対して行った質問を契機に、日本画教員達の僕に対する偏見を持ち、僕への日本画教育は一年のその当時から止まる。

 主にはS先生とA先生(女子)から偏見を持たれ、僕という生徒は、力もなく出来もしない内容で教員達に屁理屈で反論していると受け取られ、『それなら1度、お前が思うように描いて見せてみろ』と怒鳴られ、その時の絵が学校案内書に使われる程のものとなった経緯もある。

 だから、僕は教員達の言うような力なく屁理屈の生徒ではなく、やり取りがきちんと出来れば、それなりのものを描ける基礎力や自信はもっている。

 そういう経緯を経ても、僕は力のない生徒として扱われ、普通の生徒の様には課題の制作を行わせて貰えない。

 それ以前に、指導方針や課題の内容についても、日本画の教員達は、教員間で矛盾したことを語っている。

 その矛盾は、洋画としての基礎的なことを知っている僕には意味不明なものになり、殆どの生徒は、矛盾や理解できていないことも自覚しないまま適当に聞き流していく。

 その矛盾は途中から、明らかな嘘の誤魔化しに変わり、一般生徒が与えられる課題の制作スペースも僕だけ使わせて貰えなくなり、最終的には日本画の授業への出席までもを禁止された。

 課題のことで、その学年の担当教員へ話を持ちかけても、会話処か顔さえ合わせて貰えなくなった。

 この問題について、大学事務に助けを求めなければ前向きな話し合いさえもできない状況であり、その話し合いこそがこの場であること。

 僕個人としては、この細々としたことはどうでもよく思っていて、生徒として当たり前に授業を受けたり、普通の生徒と同じく学生生活を送る環境を求めているだけだ。

 嘘がなくなり、翌日からでも普通の生徒として扱われ、課題についてのやり取りが出来る様にさえなれば、僕はそれ以上のものを求めるつもりはない。

 しかし、日本画の教員達は何年間も嘘を積み重ねてきて、色々と面倒な状況にしてきた。

 自分等の間違いを少なからず自覚していながら、それを改めることはせず、僕を排除する手段を選んでいる。

 そのことに対してのやり取りは、この数年間ずっとやってきたけれど、関係は悪化するばかりだった。

 この状況に諦める前に、大学事務へ善処をお願いした結果が今回の話し合いである。

 この話し合いでも善処されないのであれば、僕は大学を相手に裁判を起こし、面倒な状況に進める。』

 僕からK先生(彫刻)へ伝えた話は大体このような内容となるが。

 当時の僕はここまで完結に話をまとめられず、細かな話までもを長々と語り聞かせていた。

 説明をしながらも、僕は自分で上手く説明できていないことも理解はしていたし、彫刻のK先生側も、殆ど理解なんかしていないまま、適当に聞き流していたのかもしれない。

 

 K先生(彫刻教員)との会話を終えてから、昼休憩を挟んだ後に日本画教員も交えて話をすることとなった。

 昼休憩の後、やってきた日本画教員はA先生(男子)とS先生の2人だけだった。

 この時点で僕は

「なんでこの2人しか来ないのですか。

 大学事務との話では、日本画の教員全員を来させるって話だったじゃないですか。」 

 といって怒っていた。

 K先生(彫刻教員)やA先生(男子)・S先生の全員が「他の先生たちは、どうしても外せない用事で来れなかった。」と語る。

 僕は「それは話が違う。これでは話し合いはできない。」と言って、話し合いをせずに大学事務へ抗議に向かおうとする。

 その僕をK先生(彫刻教員)は怒鳴りながら呼び止めて、僕に対して約束事をする。

 『この場で話し合った内容は、欠席した教員にも無条件で必ず共有して善処にあたらせる。

欠席したのだから、絶対に後から文句も言わせない。

この約束は、俺(K先生(彫刻教員))が必ず責任をもって果たす。

 だから大学事務へ抗議にいかずに、ここで話し合いを行いなさい。』

 僕はこのK先生(彫刻教員)の言葉を信じて、納得いかないながらも、話し合いをすることとした。

 

 この話し合いの一番最初にK先生(彫刻教員)は、こう話してくる。

「午前中に君が話してくれた話は、一通り俺(彫刻のK先生)と日本画の先生達とで話した。」

 そのK先生(彫刻教員)の発言のすぐ後、A先生(男子)もこう語り始める。

 「指導に熱が入って、こんな絵を描くんだったら大学辞めてしまえって言ったくらいのことで、高木君は怒って大学事務に乗り込んでいったという話だけど。

俺たちの時代だったら、指導のなかでそんなこと言われることくらいは当たり前のことだった。

 今の時代は、その程度のことを口にしたくらいで、大ごとになってしまうおかしな時代なんだな。」

 このA先生(男子)の発言から、僕には幾つもの嘘を感じ取り、僕は声を荒げて反論する。

「誰がそんな嘘をいってんだよ。

 俺はK先生(彫刻教員)にも、そんな話してないだろ。

 A先生(男子)も、俺が課題の下図相談を何十回と持ちかけてきたのに、一度も対応したことなんかなかっただろ。

 そういう行為について、ここで話し合いをしようって言ってるのに、何でそんな嘘で誤魔化そうとするんだ。」

 僕がこう反論してから、A先生(男子)はこれ以降何も喋らなくなる。

 A先生(男子)が語った話の出所について、誰からそんな話を聞いたのかと聞くが、K先生(彫刻教員)もS先生も「俺はそんなこといっていない」というばかりで、A先生(男子)も黙り込み、それ以上の話を避けようとする。

 

 これでは話が進まないので、本来の内容へと入る。

 1年次に僕が最初にした質問である日本画の光や影について。

 K先生(女子)が授業のなかで

日本画では、光が当たった結果現れるものは一切描かないでください。」

 という言葉を発していて、その指示について僕はK先生(女子)に質問を持ちかけようとした。

 しかし、研究室(日本画の職員室)ではS先生やA先生(女子)が僕の対応をしようとして、K先生(女子)とは会話させないし、僕の質問についても誤魔化すばかりできちんと答えない。

 それが全ての始まりだったと語るが、S先生は「そんなやり取りはなかった」と語る。

 僕が何度も繰返し質問をして、その質問をする行為にS先生が怒っていたことについても「そんな場面はなかった」という。

 僕の人間関係が破綻していき、盗難問題で苦しみ日本画の授業に出席できない状況になっていった件について。

 S先生は、僕が1年生の頃から生徒間のトラブルで苦しんでいるのは知っていて、僕の為に数えきれない程の対処を日本画の教員達みんなで行ってきて、それでも善処できなかったことは悪かったと思っている。

 その部分に関してなら、謝るという。

 僕はS先生に対して『S先生は、嘘ついてばかりじゃねぇか!』と怒る。

 それ以外の話でも、S先生が「もう誰とも口をきくな」と怒鳴り付けてきたことや、K先生(男子)から大学(日本画校舎)の出入りや授業の出席を禁じてきたこと、課題の件で教えてきた(嘘の指導)内容等も、全て「そんなことはなかった」と否定する。

 そして、K先生(彫刻教員)はS先生の肩を持ち、「言った言わないの話ばかりになるから」と言って、突っ込んだ話には入らせない。

 K先生(彫刻教員)が肩を持ってくれることに調子に乗ったS先生は、こう語る。

「指導に熱が入って、こんな絵を描くなら大学なんか辞めてしまえ、という発言をしたことに関しては謝る。

 でも俺達の時代は、もっと酷いことを言われるのが当たり前だったから、それが悪かったという考え方は出来ない。

 今はその程度の発言さえ許されない、おかしな時代なんだね。」

 そういう話を語り、A先生(男子)に同意を求めるが、A先生(男子)は黙って何も喋らない。

 

 僕はS先生の語る内容の全てに怒りながら反論するが、K先生(彫刻教員)は「話が進まないから」といって、事実確認をしたり細かな話をすることを認めい。

 その代わりとして、当初からの僕の求めていた『今からであっても、他の生徒と同じように学べる環境を用意してくたなら、これ迄のことは目を瞑ってもいい』という内容を、日本画の教員全員に呑んで貰うことで結論とした。

 僕はK先生(彫刻教員)の話の持っていき方に、何度も反論をした。

 これ迄の学生生活の過程で、僕は何度もS先生と同じ内容でのやり取りをしてきた。

 そのなかで、K先生は何度か自分に間違いがあることを認めて、自身で何度か『これからは考えを改める』といってきた。

 その都度、『これからの指導で、説明が不足してことを教える』という約束を僕と交わし、全ての約束を破ってきた。

 その経緯からも、この約束は信用は出来ない…というより、必ず約束は破るだろう。

 約束をするのであっても、この年度から担当教員となったK先生(男子)とするべきことで、担当教員でもなくなったS先生が交わす約束事ではない。

 僕の反論に対して、K先生とS先生は一緒になって、『日本画の教員全員で、約束を果たす』と語る。

 これから一度でも、日本画の教員達が約束を破ったなら、K先生(彫刻教員)が然るべき措置をとる、と語る。

 それでも僕は、S先生が嘘しか口にしていない事や、K先生(彫刻教員)がS先生の肩を持ちすぎてS先生が開き直っている事や、最初から日本画の教員全員と話し合いをするという約束も破っていることを語り、僕はこのやり取りを話し合いとして認めない。

 僕に妥協を求めるならば、日本画教員と僕とでやり取りをする最初の数回、K先生(彫刻教員)が間に入り、日本画教員達がおかしなことをしないか確認するくらいの対応はして貰いたい。

 それが出来ないなら、この後すぐに大学事務へ行き、まともな話し合いにならなかったと大学事務へ抗議する。

 それに対してS先生は「そんなことをしなくても、高木との約束は必ず守る」と、何度も口を挟んでいた。

 話し合いの最後、K先生(彫刻教員)は僕へ怒鳴りながら、強引に話し合いを終わらせる。

『俺が責任を持って日本画の先生達に対処させるんだから、日本画の先生じゃなくて、俺のことを信じろ。

もしお前(僕)が言うように、日本画の先生が行動を改めなかったら、その時は日本画の先生達に土下座でも何でもさせるから。

だから、今回はこれで我慢しろ。

 S先生もA先生(男子)も、高木との約束は絶対に守るだろ?

(ふたりは返事をする)

 こうやってお互いに妥協しないと、この問題は解決なんかしないんだ。』

 

 話し合いを終えて解散となった場面で、K先生(彫刻教員)は僕に少し残るように言ってくる。

 S先生とA先生(男子)が去ってから、K先生(彫刻教員)は僕にこう話してきた。

『君(僕)の言い分も解るし、納得もいかないのも解る。

 でもこれ以上、日本画の先生達を追い込むようなことをしちゃいけない。

 君が大学事務へ話を持っていったことで、もう十分すぎる程、日本画の先生達は恥をかいたんだよ。

 本当のことを言うと、S先生の言うことが矛盾だらけであることは、俺も話を聞いていて解った。

 以前にも、S先生が日本画以外の先生達に対しても「日本画に頭のおかしい奴がいる」と話しているのも知っていたんだ。

 だから、傍目には君の言うことが正しいと見えているんだよ。

 これ以上日本画の先生達を追い詰めてしまうと、君の身に危険が及ぶ。

 そうならなかったとしても、日本画の先生達は組織的に君を排除する行動に出る。

 そういうことを考えたら、この辺りで妥協しなきゃダメだ。

 S先生も、これからの行動を改めると、俺の前で君に約束したんだから、これでよしとしなさい。』