高校生4 No.7
高校生になってからの話は、まだ本題に触れてはいないのだけど。
心境的なものや、僕が作っていく状況の渦のようなものが、その後の状況と似通っている為に、この辺りの話はもう少し書いていくことになる。
異性に向けた気持ち
異性に対する気持ちを書き綴ると言うのは、どうにも恥ずかしいことなのだけど。
このことも後々のことに繋がっている話となるので、適当に跳ばさず、ある程度は書いていくことにする。
前回にも少しだけ書いた高文連。
ここでは、高校生を対象にした芸術関係の公募展、という説明にしておく。
↓は高文連のホームページへのリンク。
もっと細かく正確に知りたい人は、ネット検索などして調べてみてください。
その高文連で、僕は少しだけ会話した他校の女性に惹かれてしまう。
高文連以外では殆ど接点はなく、どうしようもないのに、その女性の事で頭が一杯になる。
自分でも愚かだと判っていながら、知り合いを通して電話番号を探り、数ヵ月後に自宅へ電話した。
僕からの電話に、その女の子はずっと困っていたし、僕自身もおかしな事をやっている自覚はあったのだが、その子への気持ちを我慢できなかった。
その子の遠回しな断りや優しい言い回しに漬け込み、僕は何度もデートを誘い、その都度断らる。
僕は、電話でどんな内容の返しであっても、その子の声を聞けただけで嬉しかった。
でも、その子から全く相手にされていない事も、薄々は判っていて、やっぱり苦しかった。
画像は制作途中のアクリル画で、この時のその女性をイメージして描いているもの。
どこかで展示して貰える可能性もあるので、いまは部分だけしか見せられないでいる。
それまでの自分と異性のことを考えると、僕はその辺りに無頓着だった。
小学生の頃から同級生間で、どの子が好きだとかいう会話は割りとあった。
僕はそういう話に実感を持った考えが沸かず、まわりに合わせた適当なことばかり言っていた。
そういった恋愛とかを自分に当てはめて考えることはできなかった。
そのせいもあってか、その好きになった女性のことや自分の在り方に考えすぎてしまう。
好きな女性ができて考えたことは、自分はいつも中途半端な存在で情けないと存在だと思った。
特にこの頃は、柔道部の件でモヤモヤしてばかりでもあった。
柔道は強くなりたいと始めたのに、自分より少しだけ強い奴等に遠慮して弱くなることを選んでしまった。
この時も、上級生(僕と同じ学年)に虐められている新入生を見かけていて、何もしないで知らない振りをしている自身にも後ろめたさや罪悪感があった。
僕の人生のなかで、柔道はそれほど大きなものではない…
柔道から離れた僕が、今やるべきは絵を描くことなんだ…
いつも、そんな風に考えていた。
でも、そういう処から自分の在り方を見つめ直し、好きな女性の前ではもう少しマシな人間になろう。
その為にも、いま後ろめたく考えているものを無くしていこう。
そうしながら、好きになった女性に好いて貰える様に努力しよう…そういう決心をする。
自身の在り方
そこからは美術部に在籍しながらも活動を控え、進学科に在籍しながら柔道部を再開した。
そうして再開したはいいが、やはり僕は部員内で弱い位置にしか立てなかった。
それでも、後輩には部活内の悪習は良くないことだという意思は伝えてきたし、僕自身は悪習に加担することをしてこなかった。
本当なら、そんな部の習慣を変えていくように動くべきなのだが、現実には、そういう姿を後輩に見せることしかできなかった。
柔道に集中した分、絵を描く事・美術部の活動は後回しになっていったが、そのことに寂しさはあっても後悔は無かった。
高校卒業まで、柔道部と美術部の兼用は続けた。
美術部の方はいつも後回しにしてきたが、本当に集中したかったのは美術部の方だった。
美術部顧問の平田先生へは、こういった事情を殆んど説明しなかったのに、僕へは何も聞かずに理解してくれていた。
そして、最後まで僕の事を可愛がってくれた。
女性関係では、僕は複数の女の子たちに好いて貰えた。僕もその女の子たちの事は各々に好きで、優柔不断にも誰か一人を選べずにいた。
でも、他校の女の子を好きになってからは、その子の事ばかり考えるようになる。
可能性の殆んど無い他校の女の子より、すぐ近くの女の子を選んだ方が良い高校生活だったのだろうな…などと思いながら、いつも女性と柔道と絵のことで、迷い躊躇しながら高校生活を送った。
何かと努力はしているつもりなのに、何一つはっきりしない、結果も出ない、そんな高校生活だったように思う。