猫と桜の絵
むかし描いていた日本画の下絵をひっぱり出しました。
これを描き始めたのは、もう十年以上も前です。
画像は部分です。
この絵を描き始めた頃は、色々と思い悩んでいました。
ずっと、過去のことを振りきれず、ノイローゼの様になり、絵が描けないと苦しんでもいました。
絵が描けなくても、絵筆を持たずにはいられず、多くの絵具や画用紙をゴミに変えていくばかりでした。
錬金術の逆の様なもので、本来は価値のあるものを、全く価値の無いものに変えてしまいます。
時々は笑い話の様な言い回しをしながら語り、やっぱり全く笑えないのです。
僕はよく猫の絵を描きますが、猫作家になりたい訳ではありません。
あの頃から延々と、頭のなかに浮かんでくる嫌な思い出に振り回されていて。
それでも、むかし仲良くしてくれた猫たちを思い起こすと、少しだけ楽しい気持ちになれたのです。
ですから、むかし仲良くしてくれた猫達のことなら描けるのではないかと考え、猫の絵を描き始めたのです。
そうは思っても、猫の絵だって上手くいかないことばかりでした。
今回添付したこの絵に関しても、何度も描き直しを行ってきましたが、完成の目処すらたたず、断念してきました。
この絵は、それほど技術を要するような難しい絵でもなくて、それだけに失敗しては思い詰めてきたのです。
少しずつ、また絵が描けるようになってきたいま、改めてこの絵に手をつけています。
今回は、日本画の絵具ではなくアクリル絵具を使い、サイズも50号から30号へと小さくしてしまいますが。
上手くいかなくても良いのです。
時間がかかっても良いのです。
あの頃より少しでも前進していける様に、また自分に自信を持たせるために、再びこの絵に挑戦してみます。