アメブロの後の話1 No.135
このブログをアメーバブログで書いていた頃は、僕はまだカラオケ店で働いている時だった。
アメーバブログで書き綴っていた職場の話も、前回の内容の辺りで区切り、ブログの終りとしていた。
このはてなブログでは、もう少し話を追加して、その後に始まる訴訟のことにも触れて書いていこうと思っている。
前回では、店のメニュー変更とカラオケ機の買い換えの話等を書いてきた。
メニュー変更によって、調理の作業性を向上させることができた。
この頃にいたアルバイト達も仕事を覚え、人手不足のままでも、僕の抱える仕事は少なくなっていった。
そのことで、閉店後のサービス残業の時間も大幅に減っていった。
社長のそもそもの意向は、
『必要な人員より少し多くなってもいいから、余裕を以て店をまわしなさい』
というものだった。
それを許さないのがS本部長やS課長であり、僕はS本部長へ何度も『人を増やしてください』と求め、その都度、何度も怒らせて怒鳴られてきた。
それでも諦めずに求め、いつもS専務を怒らせながらも、少しずつカラオケ店のアルバイトは増えていった。
求人をかける為の経費の件で責められた時には、少ない給料状態から、自腹を切って求人をかけることもした。
店舗をよくしていく一番の障害が上司達で、何かと苦労はしてきたけれど、体制は少しずつでも着実に整っていった。
上司達のやり方は、自分等に媚びへつらい、気に入られる従業員でなければ協力や手助けもしない、という考えを持っている。
これは実際に、上司達が哲学の様に語っていた場面もあったので、 僕の思い込みばかりではない。
そういうやり取りや経験をしてきた過程で、色々と思うことはあった。
上司の愚かな指示に思えるものでも、何段階も上の視野や考えで言っていることだろうと思い、従ってきた多くの事柄が、本当に愚かなことだったと気付く。
全てがそういうものばかりとは言わないけれど、これ迄の長い期間、会社の幹部達は自分等の目先の利害を追求して、色んな矛盾や不都合を作ってきた。
その矛盾や不都合を誤魔化しきれなくなっていて、そういう事柄からも、会社内でのトラブルは起こり続けていた。
僕の件も、そのなかのひとつであった。
そうして、ふと気付く。
ずっと整えようと努力してきたカラオケ店の体制は、ある程度整ってきていた。
例えば、アルバイトの出勤している時に、僕が黙って事務所での作業をしていたとしても、多くの雑務は、アルバイトが自身等で判断して適切にやってくれる。
M(元)店長が退職する前、社長は僕に対して、
『店が暇なときは、アルバイトにホールをやらせて、お前(僕)は事務所で本を読んでいたらいい』
『勤務時間内でも、絵を描いていい』
という言葉をかけて貰っていた。
それまでのカラオケ店では、僕にそんな余裕を持たせないようにと、S本部長とS課長とで人件費を極端な迄に削減してきた。
S課長の指示により、アルバイト事務員や清掃員達も僕の動向を監視し、(実際には働いていても)怠けているように見えたならば、まるで僕の上司であるかの様に、批判や暴言を投げ掛け、そのことでS課長からも理不尽な叱られ方をする流れにあった。
そんな問題さえも、この頃には既にクリアできていたことに気付く。
そうして、また色々と考え始める。
僕はずっと退職できる日を待っているのだが、会社や上司達は、僕をいつまでも奴隷のように使い続ける意思を持っている。
会社の危機的状態にあるから、僕の退職は保留にされ、幹部達は危機への対処に全力で取り組んでいる筈だった。
その危機はいつまでも解消できず、もう5年くらい経過している。
カラオケ店も、売上を伸ばすためにやれることは幾つも見えているのに、S本部長やS課長の個人的な都合や意地の為、僕には何もやらせずに現状維持ばかりさせようとする。
僕の仕事によって、カラオケ店が良くならない様、権限を与えず、改善提案も一切許可されず、非効率な仕事の維持ばかりを押し付けてしまう。
それならば、僕も強引に成果を出して、S本部長やS課長や、その他の幹部達の無能さを証明して、彼等の作った体制や立場を潰してとって変わるべきではないか、という考えが湧いてくる。
そうすることが、多くの従業員の為にはなるし、会社の利益は増え、僕の生活も楽になっていく。
そうする為には、もう退職への考えも捨てるべきなのかもしれない。
僕が成果を上げていき、上司達の立場を潰し追い詰めていくのに、これから十年くらいかかるかかるかもしれない…それは、やろうと思えばやれそうな気はする。
でも、絵を描きながら、それをやるというのは無理だ。
その為に、これからの人生で、絵を描くことを諦めるのか?
S専務やS本部長やS課長が僕の人生をメチャクチャにして平気で笑っている様に、僕からも彼等の人生をメチャクチャにして、立場をとって変わる覚悟を持てるだろうか?
他人の人生をメチャクチャにしても平気でいる為に、今の自分の持っている良心やモラルを捨てられるだろうか?
主には、そんなことで悩み始めた。
もっと平和的に、僕が成果を出しながら上司達と共存できる未来も、考えてはいた。
そういう未来や状況を作る前提としては、僕が絵を描いたり、人並みの生活を送れる職場環境を自分で作り維持する必要もある。
労働基準法や警察を介入させるようなやり方もあるけれど、平和や共存の方向には向かわないだろう。
そんな迷いのなかで、僕はこのブログを書き始め、自分の過去の人生を思い起こした。
その上で、これから先の人生を考えようとしていた。
同時に、社長が僕へ許可してくれた内容通りに、勤務時間中に事務所で本を読んだり、絵を描いてみたりもした。
その上でも考えてはみる。
これ迄は、アルバイト達にはきちんと働いて貰う為に、まずは僕がしっかり働いて、その姿を見せる方針でずっとやってきた。
その方針を急に変え、社長に許可されていたことであっても、勤務時間中に絵を描き、遊んでいるかのように見える状況でダラダラやっていこうとは考えられなかった。
上司達を会社から追い出して、それらしい状態に持っていけた先の僕がどうあろうとするか、とも考えた。
せっかく努力して上司達の無能を知らしめて会社をよくしても、その後には、僕はまた絵を描こうと会社を辞めるだろう。
絵なんかもう諦めろ、仕事だけしていろ、とは会社のある上司からも言われていたけれど、そういう考え方は持てない。
カラオケ店へ移動してからは、実際に身体を何度か壊していたので、絵を描くことを何年も止めていた。
それ迄の僕は、どれだけ忙しい日でも、毎日僅かな時間でも絵筆をもって絵を描こうとしてきた。
自分でも愚かだとは思っているけれど、絵が描けないとわかっていても、この時の仕事の目処がついたなら、そんな生活に戻ろうとしてしまうのだ。
やはり、それなりの目処がついたなら、この会社は辞めよう。
この頃は、僕がパチンコ店へ入社した頃にオープンした店舗の従業員達が、会社の幹部達へ毎日の様に衝突を繰り返していた。
それ迄は、表面的に『今はパチンコ店も大変なんだ』と語るだけだった幹部達も、その対処で困りながら動いている。
どの店舗も売上を落とし続けていて、多くの従業員達は『このままでは会社が潰れてしまうのではないか』と口にしている。
そのことで、余計にカラオケ店の扱いは適当になり、僕の退職問題に頭を巡らす幹部もいなくなる。
そういう場面で強引に退職して『自業自得だ』と言いながら会社を困らせるのも、ひとつの手ではある。
そうしようかと迷った場面はあったけれど、お人好しの僕は、そう動くことはない。
ここで強引に辞めた処で、また生活を建て直すのにバタバタして、出費もかさみ、時間を無駄にしながら『絵が描けない』とぼやいている自分の姿も想像できる。
そういう思いもあって『この会社のドタバタに、もう少し付き合ってやろう』と考えていた。
そのついでとして、カラオケ店の経営関係にもう少し手を出して、この場面でなければ経験できない仕事をやってみることにした。