店長不在の店舗5 No.131
事務員からの批判
古くからいたアルバイト達を退職させた後、アルバイト事務員から受ける僕への批判は止まらない。
「◯(新人アルバイト)なんかよりも◯(古くからいたアルバイト達)達の方が仕事をしていた。」
「仕事をしなかったとしても、そういう従業員として育ったのだから、その分を高木が働いて補うべきだった」
「みんな平等に扱う為、アルバイトは今残っている人物も全員辞めさせるべきだ」
「あなたの判断は間違いだらけだ」
「あなたには人の心がない」
何度も繰り返されるこういう批判に、僕もうんざりし、何度か反論したこともある。
その反論に対する事務員は、
「私はアルバイトであり、何の関係や責任もありません」
「私ではなく、これはS課長が言っているのです」
といって会話を避ける。
このアルバイト事務員も、会社の幹部達と同様に、カラオケ店の忙しい場面などを知らない。
アルバイト事務員の店舗にいる時間帯は、来客数が一番少ない時間となる。
売上の額でいえば、その日その時間帯での顧客全体の利用料金を合計しても、数千~1万円くらいの売上にしかならない時間帯。
例外的に宴会があった時でも、数万円くらいにしか伸びない。
週末や連休等の売上ピーク時というのは、1時間で20万~30万くらいのペースで売上が伸びていく。
カラオケ店というのは、室料というかたちでも売上は伸びていくけれど。
居酒屋等の飲食店を経験したことのある人ならば、1時間辺りで数十万円の売上を出していく忙しさを、少しは理解して貰えると思う。
そういう場面を全く知らず、アルバイトで責任のない立場で『人件費の削減をしろ』とか『今も残っているホール従業員を全員辞めさせろ』等と怒り意見している訳である。
もうひとつ語ると。
数か月前までは、このアルバイト事務員も、
「古くからいるアルバイト達は全員辞めさせなさい」
等と、S課長の名前を借りながら、M(元)店長や僕へ意見して責め立てていた。
そういった矛盾した内容で指摘され、会話に困ると「私はアルバイトだ」「私には何の責任もない」と逃げるけれど、その後も批判や意見や責め立ては止めない。
実情や事実を歪め、自分の都合で解釈して怒るばかり。
そうして僕の存在を否定しながら、幾つかのトラブルを起こしながら退職していった。
退職後も、このアルバイト事務員の娘さんやその友人等を経由して、 僕への批判は耳にし続けていた。
この一連のゴタゴタに関して、僕の判断は全てが正しかったとは言わないし、全て適切に対処したとも言わない。
僕の能力的なものが足りなくて、お人好しが過ぎていて、もっと上手くやれる要素は沢山あったのも自覚している。
それでも、僕は自分のやれることや、やるべきことはやってきたと思っている。
この結末を不満に思うならば、なぜあなたは自分のやれることを、もっとしてこなかったのかと言いたい。
古くからいるアルバイト達が悪さをしていたとき、M(元)店長や僕に批判するばかりではなく、そのアルバイト達に「そんな働き方をしちゃダメだよ」となぜ言わなかったのか。
その「ダメだよ」をアルバイト達に言っていたのは、後にも先にも僕だけだった。
サービス残業や経費の一部の自腹や私生活や夢や家族・友人・恋人関係や健康など~多くの犠牲を払いながら、古くからいたアルバイト達や新人アルバイト達のことも、どうにかしようと奮闘したのも僕だけだった。
元々、僕は会社を辞めると宣言している立場であり、この職場の理不尽にいつ逃げてもよい立場にあった。
それでも、犠牲を払わなければどうにも出来ないと考え、犠牲を払いながらやってきたことである。
その結果として上手くいかなかったことに、何の犠牲も払わずに「自分には責任はない」と逃げ、逃げながらも「あなたは酷い人だ」と批判し続けるのは、虫のいい話ではないだろうか。
そういう批判を、僕はあなたの退職以降までも受けてきたけれど、それでも僕は、この件で何の後ろめたさも持ってはいない。