上司の強要への抵抗2 No.133
Mの指示
S専務が退職したからといって『Mが高木を使って、カラオケを作り替えろ』というS専務の指示は消えない。
話の時期を少し遡り、S専務が退職する以前。
S専務の指示は、カラオケ店の売上を上げる、ということを目標には持ったけれど、それに連なった腹黒い考えは色々とあった。
色々とやった結果、売上が上がらずに以前より酷くなった場合は『高木が勝手なことをしたからだ』というかたちで社長へ報告する段取りになっている。
逆に売上が上がった場合には、S専務が『俺が指示してカラオケ店の改善をした』と語る。
どちらに転んでも『やっぱり高木は使えない従業員だ』と語られる算段だった。
それからS専務は退職して、後に受ける評価の対象はMに移る。
僕は『S専務の身勝手に協力はしない』とか『俺はもう辞めるから、お前達で好きなように変えていけ』と反論し拒んでいたけれど、Mの置かれている立場を考えてしまう。
それからS専務が退職してから、文句を言いながらもMに協力する。
この辺りの話は、アメーバブログをやっていたときから、何度も細かく書き直してきた。
細かく書いていた事情も、当時にはあったのだけれど、今回は思いきって省こうと思う。
もしかすると、話の流れ的に、また書き起こすことになるかもしれない。
そうなったなら、また書き起こしていくことにする。
Mの休日対応
カラオケ店のことを変えていく、という目標の為、Mはカラオケ店へ暫く滞在した。
そのことで表向きは、僕の休憩や休日はとれることになる。
しかし、Mは元々パチンコ店の従業員である。
出来る作業範囲も、受付・精算や配膳くらいの仕事で、調理や清掃等の雑務なんかもしない(やろうとしない)。
そういう範囲でしか作業が出来ず、アルバイト関係の従業員も不足しているので、結局は、僕の休憩や休日のとれる場面は限定される。
平日で、カラオケ店の作業全体を把握しているアルバイトが出勤している時間であれば、Mとそのアルバイトとの2人で店番をしてもらい、僕は休憩をとる。
しかし、Mと新人との組み合わせとなると、出来ない作業が多く出てくる為、やはり休憩はとれない。
その状況は休日も一緒で、元々人手不足で新人も多い状態である。
だから、Mが僕の休日対応をしているといっても、休日では6~8時間くらいは店に出て働くこととなっていた。
その休日出勤をタイムカードに打刻してしまうと、Mは僕の休日対応をしていないこととなる。
そういう配慮から、休日出勤したり休みがとれなくても、休日をとったというかたちでタイムカードは処理する。
こういう処理は、店長になる予定でカラオケ店に来たSaやKの教育の時から、当たり前に行うようになっていた。
これは僕の意思でしたことだけれど、こうしなければ、一緒に働いている従業員が強く責められ、面子を潰され惨めな思いをする結果となるのだ。
Mが休日対応をしてくれていることで、店舗の何かしらの作業が進むわけでもない。
カラオケ店を変えると言っても、何かを取り寄せたり、具体的に何をするのか考えたり、直接身体を動かして何かしらするのも、僕ばかりなのだ。
そういう仕事を増やされることで、休憩や休日をとるかとらないかの選択肢も出てくる。
休憩をとった分、残した仕事を閉店後に頑張るか、休憩をとらずに頑張り、閉店後は少しだけ早く帰るか、という部分でよく悩む。
こういうことも考えると腹立たしく思えて、僕は大人げなくもMによく毒ついていた。
気分転換の為に休憩をとり、当初は睡眠をとったりもしていたが、そうした時間を貰えたことで何かを考える余裕も出来てしまう。
むかしの嫌な思い出から、職場や上司達への不満、自分の人生や可能性といったものが、身勝手な者達の我儘に振り回され、時間の経過と供に台無しになっていること等。
そうしたものがどうにも腹立たしく、休憩や休日も苦痛に思える。
そうして、休憩や休日での時間は、身体を休めるよりもパチンコ屋へ向かうばかりとなっていった。
パチンコやパチスロは、どんなにイラついていても、意識をパチンコやパチスロに持っていかれるので、気晴らしというよりは、気を紛らわせる感じのものになった。
睡眠をとって『人生のなかで無駄な時間を過ごしている』と考えてしまうよりは、パチンコ屋へ行って『遊んだのだから、この後は仕事を頑張らなくては』と考える方を選んだ。
このパチンコ屋へ行った行為が、後に変な誤解や解釈を生む。
たぶん、その時期のことを書いていても、この件は省いてしまうと思うので、ここで簡単に書いておく。
僕は後に、この時に働いていた会社に対して、未払いの残業代を請求して訴訟を起こす。
その残業代の請求に対して、会社はこう反論して、支払いを拒む。
『高木は勤務時間内にパチンコ屋へ行くばかりで、勤務実態はなく、実質的にも残業はなかった。』
そうして訴訟では長々と争い、最後には、請求した未払いの残業代を支払って貰った。
ここでの話では、Mのことを悪く書いてきた。
そうはいっても、会社の上司や部下といった兼ね合いで、仕方なく動いていることだ。
M自身も上司の手前、こういう動きかたしかできなかった。
ここではこういう書き綴りとなってしまったけれど、仕事上では、Mは色々と助けになってくれたし、感謝もしている。
メニューの変更
S専務やMも、カラオケ店のメニュー変更を軽く見ていた。
『業務用の冷凍食品を仕入れて、レンジでチンして出せば良いだけ。』
『今の冷凍食品は質も高い。』
そんな風に考え、お洒落なものや美味しいものを選択してメニューに組み込む、それ等は簡単なことだと考えていた。
だから、S専務とS本部長とで口癖のように『飲食店の経営なんか、馬鹿でもできる』と口にしていた。
それでいて、まともに飲食店で働いた経験なんか無いのだ。
各メーカーも、冷凍食品の製品開発は苦労していて、色んな商品がある。
それをメニューに組み込む前に、販売価格や味や調理時間や手間等、計算や試食なんかもしていく。
よく言われている話では、販売価格は原価(仕入値)の3倍となる。
その3倍のなかには、販売できなかった場合のロスと店の儲けも含めて考える。
この考えから、実際に冷凍食品(業務食材)の仕入値を調べ、販売価格を設定していくだけでも、思うようにいかない。
普通の感覚で考えると割高で『この味でこんなに高い?』と思える商品が大半だったり。
店の設備や厨房の人員の兼ね合いから、オーダーを受けてから提供までの時間に難があったり。
実際に、そういう業務食材を取り寄せて、価格計算や試食などの経験の積み重ねをしないと、わからないことは多い。
上司達の言葉の上では、僕はカラオケ店で楽ばかりして、何の仕事もしてこなかったことになっている。
しかし、僕はこういう業務用の冷凍食品を毎月一定量を取り寄せ、アルバイト達と試食などもしていた。
カラオケ店で本来とれる売上をとる為に、厨房用の人員を増やすか、もっと冷凍食品を使った調理の簡素なメニューに変えていくべきではないかと、何度もS本部長へ提案していた。
人員であれ調理の問題であれ、料理のオーダーが来てから提供まで、平日でも30分以上かかる様な場面は無くしたいと考えていた。
そのS本部長は、自分の関与していない処でカラオケ店が上手くいくのを嫌がり、僕の提案は全て無視してきた背景もあった。
その経緯もあり、僕には『もしも』を想定した積み重ねや準備なんかもしていて、突然のメニュー変更の指示でも対応は出来た。
(不貞腐れながらの対応だったけれど)
それでも、Mの求める様なお洒落な料理は販売価格も割高であり、店舗の人員を増やせない状況からも、Mの考える様なメニュー構成に出来ないことを納得して貰うのに、それなりの時間はかかった。
下に2つ、よく利用していた業務用食材のネットショップのリンクを貼っておく。
この業務用食材のネットショップの良いところは、知らない商品を探せる処にある。
僕のいたカラオケ店の様に、業務用食材を扱っている会社と取引をしていても、その取引している会社は、よく扱う商品しか把握していなかったりする。
取引している会社から、新商品などのカタログを貰っていても、カタログになっていないまま発売されている新商品も多い。
そういうことから、自分も取引している会社も把握していない商品を、このネットショップで見つけてくることができる。
業務用食材の業者からでは、ロットや箱単位でしか買えない場面も多い(その分、一個あたりは安い)。
ネットショップでは、一個単位で買える場面も多く、試しで買ってみるにも丁度良い。
見つけた商品が良いものだったなら、後から取引をしている会社でも扱っているか問い合せし、取引している会社から購入する手もある。
そんな感じで、↓は当時はお世話になったページだ。
タスカル
フーヅフリッジ