絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

移動したカラオケ店の状況1 No.124

カラオケ店への移動の経緯

 まずカラオケ店の事情と、僕がカラオケ店へ移動することになった経緯から説明する。

 

 このカラオケ店は、S課長のお兄さんが最初の店長であり、S課長もその当時はカラオケ店で働いていたそうだ。

 カラオケ店と書いてはいるけれど、元々は個室の居酒屋としての意味合いが強く、料理が美味しいという評判もついていた。

 その店長が店を辞めた経緯までは知らないが、その後に何人も店長は入れ替わるけれど、待遇の悪さ等もあり、店長になっても誰もが数年で退職していく。

 オープン当初の売上は良かったのだが、時代的には、バブルとバブル崩壊という時期とも重なり、オープン後から十数年間、店舗の記録を見る限りはずっと売上は下がり続けていた。

 僕の在籍していたパチンコ店のS店長は、店長から本部長になって以降、在籍店舗の店長業務だけでなく、新店舗やカラオケ店の改善も行うことを、社長から指示されていた。

 店長が本部長になったのと同じくらいの時期に、カラオケ店にいた数名の正社員の全員が、揃って退職してしまう。

 原因は、この時期にカラオケ店の店長をしていた者の適当な仕事に対する不満により、従業員間の喧嘩が激しくなったこと。

 それともうひとつ。

 この時のカラオケ店の店長は、地元のヤクザから仕入れた偽物のブランド品をカラオケ店で販売し、それが会社に見つかってしまう。

 そのことで、カラオケ店の正社員は全員退職し、その穴埋めとして、新店舗の従業員のMという人物をカラオケ店に移動させて、店長にした。

 そこへS本部長も付いて補佐し、カラオケ店の仕事ばかりに付きっきりになってしまった。

 元々の社長の意思では、S本部長には、パチンコ店の3店舗とカラオケ店の全ての店舗を、店長よりも上の立場で管理して貰いたかった。

 特に、一番新しい店舗では、従業員の待遇や扱いの問題で、オープン時からずっとトラブルになっている。

 S本部長はそこへの善処に向かえずに、カラオケ店の現場作業ばかりをやっているものだから、僕をカラオケ店へ行かせることでS本部長の身動きがとれる状態にしたのだ。

 それでも、S本部長やS専務も、社長から指示されたことをある程度やった後には、いつも自分等の所属する店舗の店長業務ばかりに落ち着こうとする。

 

 僕がカラオケ店へ移動した初日から、S本部長は僕へ細かな雑務をやらせながら、アルバイト達とはお喋りばかりして、そのお喋りでも僕をバカにして笑いあっていた。

「高木はいらない奴だ」

「高木は使えない」

 はじまりからそんな感じはあったけれど、それ以前の辺りから、アルバイト達は自分達の立場について思い違いをしている。

 S本部長と仲良くしているアルバイト達は、M店長や高木といった正社員達よりも立場は上で、下手な社員なんかよりも権限は持っている。

 そして、カラオケ店では先輩である自分(アルバイト)等は、社員等が働いている状態でも、店が暇なら遊んでいても問題はない。

 ただS本部長に対してだけは、機嫌取りして仕事もしている振りをする必要がある。

 こんな感じで、会社の組織が崩壊していく流れは、パチンコ店もカラオケ店も同じで、S専務やS本部長が自分の権威を主張する過程で出来上がっていく。

 この流れに取り込まれた従業員達は、上辺の人間関係ばかりにかまけて仕事上の成長はせず、定期的に従業員間でのトラブルも起こし、ずる賢く怠け癖の付いたものばかり楽をして長く会社に残る。

 そういう従業員達を、(会社の幹部である)自分の言うことをよく聞くよい従業員と錯覚する。

 その反面、現場の作業の質はどんどん悪くなるが、会社の幹部達はホールでの作業をしないから、そのことには気付かない。

 現場での作業の質は落ちているから、その事で顧客離れも進み、売上げの低迷にもなっている。

 社会的な変化や出来事やパチンコ店への規制なんかも時期として重なり、低迷した売上げへの言い訳はついてはいるのだけれど、そのことで根本的な問題は見失っている。

 少しの時が過ぎて、近場のライバル店が低迷から回復していても、この会社の店舗だけは回復していかない。

 

 仕事関係の本やネット記事を読んでいると、時折出てくる話で。

 会社が軌道に乗ったとき、その会社の社長のまわりには、社長の耳障りのいいことばかり語る者達が集まってくるという。

 そして、社長の聞きたくないような悪い話や報告をする者達は、社長自身によって遠ざけてしまう流れもある。

 そうなると、社長はよい報告ばかりを聞いているので、会社はよい方向に向かっていると考え信じてしまう。

 様子がおかしいと気づいた頃には、会社の経営は手遅れと言える状況に陥っている…そんな話もよくあるそうだ。

 この会社の状況も、同じ様な過程を進んでいた。

 同時にS専務やS本部長は、会社の組織というものは、下の者が上の者を持ち上げて気に入られることこそ重要と考えていて、部下に機嫌取りの上手さを求める。

 そういう傾向の強い会社であり、僕はそういう傾向を知らずに、そういうものを否定している。

(もしそれを知っていても、僕のとる行動は同じだったと思う。)

 

 カラオケ店へ移動したばかりのこの時期、僕はこの程度の話も知らずにいた。

 後になってこの話を知ってみると、僕の経験している職場の悪い状況や改善への考え方というのは、ビジネス書等で語られている悪い例とほぼ合致してしまう。

 在り来たりな悪い例の範疇で、僕はうろついて苦しんでいたもので、本を読んだり情報を収集する行為は大切だなぁと痛感したものだ。

 こういう考え方に向かう切っ掛けは、この本(下のAmazonのリンク)と、この本の著者の書いているブログ・ネット記事(Books&Apps)を読む様になってからだ。

「仕事ができるやつ」になる最短の道

「仕事ができるやつ」になる最短の道

 

 絵を描くのでも雇われて働く仕事でも、自身の向上の為に、本を読んだりするのは大事なことだと思う。