泥だらけだった子猫 1
これから何度か、ちょっとした子猫の思い出を語っていこうと思います。
今回の話の主は、『たぬ吉』です。
たぬ吉と呼んでいましたが、女の子です。
画像のたぬ吉、可愛いでしょ?
名前の元になった「たぬ吉くん」は、これです↓
このたぬ吉の話は、今から3~4年ほど前だったと思います。
あるスーパーへ買い物に行ったとき、ジュースの自販機の前で、何人か人が集まっていたのです。
みんな自販機の下を覗いていて、そこには子猫がいました。
近所の中学生の男の子が、ドブに落ちて泣いているこの子猫を見付け、ドブから拾い上げました。
しかし、どうしたら良いか判らずにいます。
そこを通りかかった人達は、「可愛い」と言っては見つめていました。
この30分くらい前まで、雨も降っていて、子猫は泥まみれになって震えています。
そうして、子猫は自販機の下から震えながら、見つめる親子のところへ歩いていきますが「ダメダメ」と拒否され、また自販機の下に戻っていきます。
簡単には面倒見たり飼ってあげたり出来ないもので、仕方なかったのでしょう。
少しの間だけ、この子猫を保護してくれる人はいないか様子を見た上で、僕が保護することにしました。
僕は自販機の下を覗き込みながら、子猫に「おいで」と声をかけると、再び震えながら出てきました。
このとき、僕は仕事の買い出しでこのスーパーへやって来ていたので、手元には多目の買い物袋を持ち、服も仕事用の制服です。
そのことで、この子猫を上手く持つこともできず、子猫を抱っこして仕事の制服を泥だらけにしてしまいました。
この子猫は寒さから、僕の体にツメを立てて、精一杯抱きついてきました。
たぬ吉という名前の元は、20年くらい前のパチンコ台のキャラクターです。
パチンコ台の小さなスペース内に居るタヌキの人形と、自販機の下に居るタヌキの様な模様の子猫を皮肉ったものでした。