泥だらけだった子猫 2
たぬ吉とのことは、ほんの数日の出来事でした。
この話は、その僅かな期間の話を書いていくつもりでいます。
画像は、たぬ吉の為に用意したトイレで寝ているところです。
たぬ吉の毛の模様を見ていると、珍しく思えます。
猫の模様で、複数の模様が入り交じるのは割りとよくあります。
たぬ吉の持っている模様は、茶虎と黒と白でしょうか。
それぞれの模様は珍しくないのに、その模様の配置によって、あまり見掛けない珍しい子に見えるのです。
前回の話では、泥だらけのたぬ吉を職場に連れ帰ってきたこと迄を話しました。
その職場で、たぬ吉の泥だらけの体は、食器用洗剤で洗いました。
洗った体を乾かすと、たぬ吉は変な鳴き声をだしながら、あっちこっちひたすら歩き回ります。
それまで僕の接してきた子猫達は、ミーミーと可愛く鳴くのですが、たぬ吉の鳴き声だけは可愛くありません(可愛くない処がまた可愛いのですけどね)。
文章で上手く伝えられるかわかりませんが、
「あ゛ーん?、あ゛ーん?」
と鳴きます。
昭和時代のリーゼントした不良高校生とかが「あ゛?」と生意気な返事をしているようなあの「あ゛」です。
僕が抱っこしても、この変な鳴き声を出しながら体をよじ登っていきます。
そして、人を嫌ったりはしないものの、人に甘えたり懐いたりもしません。
この当時は、ずいぶんと不思議な子を拾ったものだと感じていました。
この変わった個性は、里親探しに影響しないかと、少し不安にも思っていました。
それから後になって、たぬ吉のこの行為について考えてみました。
たぶん、たぬ吉は母猫を必死に呼び、探していたのでしょう。
ネット画像に出てくる子猫とたぬ吉を見比べた感じから察すると、たぬ吉は、産まれて1ヶ月くらいの子猫の様です。
むかし読んだ本の情報で。
猫は生後三ヶ月くらいで、適応できる範囲が大体決まってくるそうです。
この頃までに、人やその他の動物達と接していると、猫はその後も、抵抗も少なく人やその他の動物達とも仲良くなれるそうです。
逆に、ここで野良の母猫としか接していないと、人やその他の動物達と仲良くするには、結構な苦労が必要になります。
食べ物も、この時期に納豆やヨーグルトやトウモロコシとかを食べさせておくと、成猫になってもそれらを食べるそうです。
(猫の体に悪いものでも食べるようになるので、食べさせるものは注意しなけれはまなりません。)
たぬ吉は、母猫とはぐれてしまいましたが、人に飼われるにはちょうど良い時期や契機だったのでしょうね。