泥だらけだった子猫 4
たぬ吉を僕の住まいに連れ帰り、僕はいつの間にか寝てしまいます。
そして、時おりボトッと音がして、目が覚めます。
たぬ吉は何度も繰り返し、小さな箱などに登っては落ちています。
僕は、そんなたぬ吉が落ちた音で目を覚まし、怪我などしていないか確認して、また寝てしまいます。
たぬ吉の写真はあまり数がないので、前回と似たものになってしまいます。
この画像は、里親探しの為に顔を撮りたかったのに、失敗したやつです。
僕が寝てからも数回、たぬ吉が箱などから落ちて目を覚まし、大丈夫か確認した後、僕はまた寝てしまいます。
それから、僕の鼻に柔らかいものが触れてきました。
その感触で目が覚め、目を開けると、たぬ吉は僕の鼻を舐め、僕に寄り添って来ていたのです。
たぬ吉はずっと母猫を探し歩き、「あれ、ママはこれだったかな?」と、僕を母猫と考え始めたのかもしれません。
頭をなでてやると、嬉しそうにしています。
それから暫く、僕はたぬ吉と遊びますが、またいつの間にか寝てしまいました。
この時から、たぬ吉は僕に甘えてくるようになりましたし、変な鳴き声をあげながら、冒険することもなくなりました。
翌朝は早めに起き、たぬ吉のご飯やおもちゃを買いにいきました。
そうして僕が帰ってくると、たぬ吉は部屋に置いてあったプレステ2のコントローラーに抱きついて隠れていました。
コントローラーの黒い色と、たぬ吉の毛の模様もあり、少しの間、僕はたぬ吉を見付けられませんでした。
このたぬ吉を見ていると、むかし接した野良猫の親子のことを思い出します。
母猫が少しのあいだ外出して、それを待つ子猫の姿が、そのままたぬ吉ともイメージで重なりました。
その日、仕事の準備をして、たぬ吉と一緒に職場へ出勤しました。
仕事の兼ね合いで、僕はたぬ吉から離れますが、たぬ吉は僕を目で追います。
やはり、たぬ吉にとっての僕は、母猫なのでしょう。