絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

泥だらけだった子猫 3

 たぬ吉のことを考えると、僕は母猫のことも考えてしまいます。

 たぬ吉は、こんなに母猫を呼んで探す子ですから、好奇心よりも母猫に甘える気持ちの方が強く感じるのです。

 そのたぬ吉は、本当に母猫とはぐれたのでしょうか。

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 同時に考えてしまうことは、母猫の育児放棄です。

 人に飼われて本能の薄れた猫達でも、やはり自然と備わった本能で動くことは多いです。

 トイレで用を足した後、砂をかけるとか、段ボール箱のようなちょっとしたスペースを好む行為とかも、そういうことでしょう。

 そんな猫達の本能は、厳しい環境を生き抜くことを想定しているように思えます。

 

 猫の育児放棄も、本能的に行っていることでしょうが、人の視点からの分析や理由付けもされています。

 よく聞く例をだしますと。

 母猫が産み育てている子猫達を、人が可愛いからと触ってしまい、子猫に人の臭いがついてしまうと、母猫は身の危険を感じ、育児を辞めてしまうといいます。

 他にも様々な状況から、産んだ子猫を育てられないと考えると、育児を放棄します。

 猫を捕食する動物が居ると感じたら、自身の子猫を食べて、捕食される可能性を少なくするともいいます。

 

 たぬ吉が拾われた場面は、雨上がりの時で、ドブのなかで泥だらけになっていたのです。

 海外の動画で、育児を諦めた母猫が、自身の子猫を水溜まりのなかに捨ててしまう行為を見たことがあります。

 僕の勝手な想像でしかありませんが、たぬ吉の母猫も、自身ではこの子を育てられないと判断して、たぬ吉をドブの底に置いたのかもしれません。

 

 たぬ吉を拾ってきた日、たぬ吉は変な鳴き声をあげながら、あちこち歩き回りました。

 元気というか、必死に母猫を探していたのかもしれません。

 たぬ吉は人を警戒しませんが、人に甘えたりもしませんでした。

 職場のアルバイト達に、SNSで里親募集の呼び掛けをお願いして、その日の夜は僕の住まいにたぬ吉を連れていきました。

 たぬ吉は僕の住まいでも、相変わらず変な鳴き声をあげて歩き回ります。

 ボトッ、という音がして見てみると、小さな箱の上に乗って、そこから歩き進めて箱から落ちていました。

 最初のうちは危ないと思い、箱から落ちる前に箱から下ろしていました。

 しかし、たぬ吉はあちこち歩き回り、何度もそれを繰り返します。

 他にも、パイプハンガーの先へ行こうと、たぬ吉はパイプハンガーの足部分の横パイプを乗り越えようとします。

 前足だけは乗り越えましたが、後ろ足が乗り越えられず、身動きがとれなくなっていたり。

 パイプハンガーからたぬ吉を救いだし、しばらくすると、またボトッと箱から落ちています。

 

 このたぬ吉の冒険は、何時間続いていたのでしょうか…僕はいつの間にか、ウトウトして寝てしまいます…