絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

近年の労働裁判の流れと労働審判 No.139

 むかし何度か耳にしていた言葉で「アメリカ等は訴訟大国である」なんてものがった。

 

 ペットをお風呂に入れて、濡れた毛を乾かすために電子レンジに入れて死なせてしまい、電子レンジのメーカーを訴えて勝訴したとか(この話は嘘らしい)。

 バスケットボールのゴールにダンクシュートをしようとして失敗した人が、顔をぶつけて怪我をしたことで、そのゴールを作った会社を訴えて高額な慰謝料を勝ち取ったとか。

 そんなアメリカの訴訟の話、昔はよく聞いていたのだけど、近頃はそういう話を耳にしていない気もする。

 

 むかし好きだった海外のドラマで「アリー my Love」という女弁護士の物語もあった。

 僕が画学生で卒業する年、シーズン1が放映されていて、僕は毎週見ていた。

 アメリカのヒットチャートで、アリーのサウンドトラックは1位をとり続けるほど人気番組で、僕もそのサウンドトラックを買って聞いていた。

 アリーの話は少し脱線だったけど、僕の裁判のイメージには、ああいったドラマや小説の影響がある。

 でも、実際に訴訟をしていくとなると、そのイメージからは離れていくことになる。

 昔の日本では、会社は従業員を育て守る考えはあった様に思う。

 でも、近頃の会社は利益の追求の末に、法に触れたかたちで従業員から搾取して使い捨て、『自己責任』という言葉で逃げる会社も多くある様に感じる。

 会社のなかにいれば、雇われている弱みから、パワハラや搾取も、堪えられなくなるギリギリまで文句は言えない。

 少なくとも、僕の働いてきた状況はこういう内容だった。

 それならば、従業員側も捨てられた後、法を使って自身の権利や利益を主張する必要があるだろう。

 少なくとも、僕の働いてきた状況はこういう内容だった。

 

 近年の労働裁判の件数を、ネット検索して調べてみると、増加傾向にあることがわかる。

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労働関係民事通常訴訟事件と労働審判事件(新受件数 地方裁判所

図3-1 労働関係訴訟、労働審判|早わかり グラフでみる長期労働統計|労働政策研究・研修機構(JILPT)

 引用したグラフを見ると、労働問題に関する訴訟は、2010年から年間3500件くらい行われいる。

 

 労働に関する不満は、近年に始まったものではなく、昔からあったことでもある。

 それでも多くの人は、仕事とはそういうものだと考えていて、訴訟に踏みきる人も少なく、大きな怪我や死亡事故などが、訴訟に結び付いていったのだと思う。

 2010年近くで、労働裁判が急に増えたことについては、リーマンショック後の派遣切り問題や、マクドナルドの元店長の起こした訴訟の結果が大きく影響している様に思っている。

 マクドナルドの訴訟の件から、弁護士業界(?)も、残業代請求は継続的な仕事になると認識し、取り組み始めた経緯もある。

 

労働審判

 労働審判とは、労働に関する訴訟の簡易的なもので、申請から解決まで、訴訟よりも短期間で終わらせるものとなる。

 基本的な流れとして、会社へ直接の残業代請求を行い、そこで話の折り合いがつかなかった場合に、労働審判民事訴訟のどちらかを選ぶことになる。

 労働審判は原則的には、3回の審議で結論に持っていき、期間的にも3ヶ月くらいで終える。

 労働審判で決定した内容は、法的にも訴訟と同じ効果を持つ。

 そこで解決できなければ、改めて民事訴訟へ移行していける。

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画像の引用:https://roudou-sos.jp/roudoushinpan/

 以下はWikiからの引用。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/労働審判

労働審判(ろうどうしんぱん)とは、日本の法制度の一つであって、職業裁判官である労働審判官と民間出身の労働審判員とで構成される労働審判委員会が、労働者と使用者との間の民事紛争に関する解決案をあっせんして、当該紛争の解決を図る手続(労働審判手続)をいう(労働審判法1条)。また、この手続において労働審判委員会が発する裁判も、労働審判という。

労働審判は、2000年代に日本政府が進めた司法制度改革の一環として導入された制度であり、2006年(平成18年)4月に運用が開始された。司法統計によると、労働審判の新受件数(日本全土)は、運用開始後2009年(平成21年)まで増加し、同年以降、2016年(平成28年)まで年間3500件前後で推移している。

 労働審判の結果は、裁判と同じ効果を持つ。

 しかし、基本的に労働審判の内容は、非公開のものとなる。

 逆に訴訟の内容は、基本的には公開したものとなる。

 その為、労働審判の内容をSNSやブログへ投稿していく行為は、労働審判を終えた後にもトラブルを起こすかもしれない。

 もし労働審判の内容をSNSやブログへ投稿するならば、匿名等で個人や会社等を完全にわからなくして投稿する必要がある…と、どこかのインターネットページで読んだ。

 その辺りのトラブルによって、残業代を勝ち取った後に自分の首を絞めないよう、十分に気を付けて貰いたい。

 

 ここまでの話は、僕が迷っていた時期、決断の為に知りたかったことだ。