アドゥルフ・ヒトラー
アドゥルフ・ヒトラーという人物がいました。
独裁者ヒトラーとして有名な人物ですが、十代の頃は画家になる夢を持っていた、なんて話も時々聞きます。
特に絵が上手だったり下手だった訳でもない存在だったらしく、夢の通りに芸大等に進学していれば、歴史に名を残すことも無く無名で終わっていただろう、とも耳にしますね。
最近、このヒトラーのことが目につくもので、少しネットで調べ、面白かったもので今回の話にしました。
以下はWikipediaから。
1933年に首相に指名され、1年程度で指導者原理に基づく党と指導者による一極集中独裁指導体制を築いたため、独裁者の典型とされる[3]。その冒険的な外交政策は全世界を第二次世界大戦へと導くことになった。また、ユダヤ人などに対する組織的な大虐殺「ホロコースト」を主導したことでも知られる。敗戦を目の前にした1945年4月30日、自ら命を絶った。
僕の頭のなかで、ヒトラーはドイツを悪い方向へ導いた政治家・戦犯者・独裁者というイメージがありました。
高校の頃に、英語の教科書に乗っていた英文で、チャールズ・チャップリンがヒトラーを批判している映画の『独裁者』に関する話が使われていました。
どうにも、僕にはそういう与えられたイメージばかりが染み付き、そのイメージだけでヒトラーを考えていた様です。
画像元:https://ja.m.wikipedia.org/wiki/独裁者_(映画)
ここでこのアドゥルフ・ヒトラーを話題に出したのは、僕が持っていたイメージばかりの存在ではない様に思えてきたからです。
間違った事を書いていたら、指摘して貰っても構いません。
以下は、YouTubeの『【ゆっくり歴史解説】黒歴史上人物「ヒトラー」』で語られている内容を元に、ヒトラーのことを書き起こしてみました。
第一次世界大戦で、ヒトラーは伝令役として参加し、それからナチス党という党に入り、党首に登り詰めます。
その後、ミョンヘン一揆というものを起こします。
ミョンヘン一揆というのは、ミュンヘンで行われた政府主催の集会で、ヒトラーは突撃演説を始めます。
「ドイツ民族の復興」
「ベルサイユ条約の破棄」
「全てのドイツ人に職とパンを」
ヒトラーは演説でこれらを語り、一旦は逮捕されながらも、その演説がドイツ中で話題になります。
そのことを切っ掛けとして、ヒトラーは人気を集め、独裁政治を始めていきます。
「ベルサイユ条約」というのは、主にはドイツが戦争賠償金を支払うというもので、額はドイツの国家予算の30倍もの金額にあたります。
そこへ世界恐慌も重なり混乱している時期に、ヒトラーはその「ベルサイユ条約」を破棄すると主張し、多くの賛同者を獲ました。
ベルサイユ条約を破棄した後、ドイツの国民を養うために他国へ侵攻し、国益の妨げになっていたユダヤ人の虐殺を行います。
600万人のユダ人虐殺の他、戦争捕虜、知的障害者、精神病者、同性愛者、共産主義者、なども含めると1000万人以上の虐殺を行ったとされています。
ただ、この虐殺数に関しては証拠が少なく、捏造的なものだと語る者も多くいるそうです。
ガス室でユダヤ人を毒殺した話は有名ですが、そのガス室はそもそもなかったとも、一部では語られています。
これ等のヒトラーの政策により、600万人の失業者問題や社会保障や公共事業の問題を、3年でほぼ解消します。
この話は、動画で語っている人なりの視点や情報ではあります。
でも、こうして内容を見てみると、僕はヒトラーの存在ばかりが悪いとは思えず、戦争や歴史がこう動いたことに必然性もあった様に感じてしまいます。
ヒトラーの功績として、貴族や出身で構成されていた軍を能力主義に変えたり、国民の生活を第一に考え、極端な金持ちではなくても、車を買える制度を作ったりしていたそうです。
他にも、世界ではじめて禁煙政策をとったりとか色々ありまして、僕としてはかなり意外な話が多いです。
ヒトラーは名声を得る為に、確かにユダヤ人を差別し虐殺した存在ではあります。
その行為は悪でしかない行為であるものの、実際に殺した数字は10万人くらいという説もあり、一般に言われている600万人とは随分と違っています。
毒殺用のガス室や、主にユダヤ人を収容したアウシュビッツ収容所も、ドイツではなくポーランドにあると動画で語っています。
ヒトラー時代のドイツで、数多くの人体実験を行ったと語られる話は、今の医療技術にも繋がる話ではあります。
人体実験の行為や被害者のことを考えると悲しくなりますが、それなりに意味や成果のある行為でした。
戦争の勝ち負けの問題というのは、戦勝国に都合よくまとめられ、敗戦国に都合悪くまとめられます。
昔から『勝てば官軍負ければ賊軍』と言われているように、戦争の勝ち負けが、ヒトラーを歴史の記録で、英雄と書くか変人と書くかの分岐になっていたのかもしれません。
少し極端な解釈かもしれませんが、理解されずに批判される絵なんかも、僕にはこういうイメージと重なったりします。
世の中に出回っているイメージや情報と、その事実とにギャップがあると気付いたとき、自分だけがまわりから浮くようになっても、事実へ意識を向けられるかどうか。
これは僕にとって、絵や芸術というものを考える場面と共通する、大事なことだったりします。
それともうひとつ。
ヒトラーは、チャップリンの映画の『独裁者』を少なくとも2回は観ていた、と戦後に部下が語っています。
ヒトラーはチャップリンの映画を見て、どんなことを考えていたのでしょう。
そんなことを想像したりすると、ヒトラーの話は、まだまだ面白い要素はあるのですよね。
このブログ記事を実際に書いたのは、2019年1月24日です。