中学生 No.3
中学生になると、部活動で柔道を始めた。
途中から、ボクシングも始めたけれど、その後の絵と比較して考えると、中途半端にやっていた様な感じもある。
正直な処、格闘技でなくても良かったのだけど、絵以外のことを始めたのには、幾つかの動機はある。
格闘技をやろうと思い立ったのには、当時テレビでやっていた「仮面ライダーBlack」の影響も大きかった。
でも、それだけではない。僕は余計なことにすぐ首を突っ込み、そのせいでゴタゴタの中心で泣いている場面が多かった。
僕がいくら殴られていても、その場を見る人達はいつも知らない振りをする。
いじめられている誰かを庇う経緯があっても、結局は、僕側にも問題があると言う内容で締め括る。
そうした方が、仲裁した側も見て見ぬ振りをしてきた者たちも、色んな意味合いで楽だからだ。
そんな状況を何度も経験している事で、僕自身、漠然と強くなりたいと考えたのかもしれない。
だからといって、仕返しをしたり喧嘩で勝つような存在になりたいようなイメージも無かった。
それは、ヒーローもののテレビ番組や漫画などの見過ぎだったのは確かだ。
そのせいで、暴力的な問題で悩んでいた時には、いつも仮面ライダーBlackのことを思いだしていた。
僕にとっては、そういう何かの都合の為に、目の前の理不尽を受け入れたり、他人の困る場面を知っていながら知らない振りをしていくことが、子供から大人へ成長することの様に思えていた。
画像は、十年くらい前にアクリル絵具で描いたもの。
この仮面ライダーの絵を描いていた頃、この仮面ライダーの俳優さんがステーキハウスを経営していることを知った。
そのことで、その俳優さんへ会いに行くことを考えていた時期もあった。
しかし、仕事の忙しさを言い訳にして、未だにその俳優さんに会っていない。
何となく足が遠退いてしまうのは、自分のなかで勝手なイメージを作り過ぎていて、会うのが恐いのかもしれない。
特に今、僕は自分自身に自信が持てないでいるので、そんな自分が恥ずかしく思っている。
そんな恥ずかしさから、足が遠退いてばかりである。