絵と猫とぐだぐだ ~髙木元就

雑記ブログです。趣味で絵を描いています。漫画やイラストなども含めて、幅広く絵の好きな人に読んで貰いたいです。

小説『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベル トーチカチルドレン』

 ようやく小説の逆襲のシャアベルトーチカ・チルドレンを読み終えました。

 今回はその感想で、ネタバレもあります。

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 画像元:https://www.amazon.co.jp/機動戦士ガンダム-逆襲のシャアベルトーチカ・チルドレン-角川文庫―スニーカー文庫-富野-由悠季/dp/4044101094

 その前に、今回も宣伝を(^_^;)

 ドラードギャラリーさんにて、『創作表現者展』を開催しています。

 100人以上の作家達による小品展で、僕の絵も展示されています。

 新宿方面にお出掛けの方、ついでに足を運んでみませんか?

 色んな作家さん達の個性に触れ、感じることが出来ます。

 どうか、宜しくおねがいします。

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 本題に戻ります。

 劇場版の機動戦士ガンダム逆襲のシャアが公開されたのは、もう30年くらい前でしょうかね。

 最近になって知ったのですが、逆襲のシャアの物語は複数あり、内容も少し異なるとのことです。

  まずは、劇場版として『機動戦士ガンダム逆襲のシャア』という企画が決まりました。

 その物語の内容を最初に作ったものが、逆襲のシャアベルトーチカ・チルドレンでした。

 この小説は、劇場版の企画の第1稿で、アムロの結婚や子供の描写等に対して、スポンサーから許否されました。

 それでも、著者の富野由悠季が本来は作りたかった内容であるため、敢えて小説版として発行しています。

 その後、劇場版の逆襲のシャアでの内容が作られていきます。

 その内容を補足する意味合いも含めた小説、逆襲のシャア~ハイ・ストリーマーを、劇場版公開一年前に、雑誌アニメージュで連載していたのでした。 

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画像元:https://www.amazon.co.jp/機動戦士ガンダムハイ・ストリーマー〈1〉アムロ篇-徳間デュアル文庫-富野-由悠季/dp/4199051252

 僕が今回読んでいたのは、ベルトーチカ・チルドレンの方で、これからハイ・ストリーマーまで手を出そうとまでは考えていません。

 まぁ、いつかは手を出すかもしれませんけどね(^_^;)

 

 感想に入る前の説明だけで、少し長くなってますね。

 読んでまず思ったことは、富野由悠季ガンダム小説は、少し読み辛い面もありました。

 シリーズものだから仕方ないのでしょうが、登場するモビルスーツの描写や、スイート・ウォーターという地名やファンネルという兵器等、読者は殆ど理解している前提で解説を跳ばしていきます。

 そういうので、僕は何度か読み進めるのを止め、ネット検索もしました。

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画像元:https://prcm.jp/album/animefrost/pic/53080184

 内容面では、基本的には劇場版と同じ流れで話が進みます。

 シャアは、地球に巨大隕石(アクシズ)と核爆弾等を落とし、地球に人を住めなくしようと計画し、軍事的に動きます。

 地球に人を住めなくする目的というのは、主には既得権益者や高官達への粛正と、人類が宇宙へ進出していくことでの進化・革新(ニュータイプ化)を強制的に促すものです。

 この考えの原点は、ザビ家に暗殺された父であるジオン・レム・ダイクンによる、「人類は宇宙進出するべきである」という考えも含んだものです。

 そういった計画も、結局は連邦軍という形式組織と、ニュータイプ的(?)な奇跡の様なものに阻止される訳です。

 

 劇場版も小説版も、撲には不完全な物語を見ている様な気がしています。

 或いは、高い能力をもっていたシャアにも、弱く脆く限界的な部分があったと語っているのでしょうか。

 シャアの目的は、『多くの人類を宇宙に移民させながら、なおも地球に居座り、腐敗した政治や堕落した高官達を粛正する』というものでした。

 そのシャアの目的自体は良いとしても。

 シャアなら、もっと別の手段もあったのではないでしょうか。

 ここからの感想は、どこかで見た感想とも被るのですが~

 シャアは敵であるアムロと戦いながら、アムロにしか心の底を見せられず、戦いのなかや末で果てることを望んでいる様な描写が幾つもあります。

 シャア自身も、自身の計画に迷いがあったのか、敵のアムロが阻止しにくることを望み、軍事兵器の技術を遠回しにアムロ側へ提供もします。

 そうして、アムロとの戦いのなかで、シャア自身の計画の結論を左右させようとしています。

 こういう流れから、シャア程の人なら、もっとよい手段があったのではないかと考えてしまうのです。

 シャアがもっと長く生きていたなら、政治的な面から、人類の革新を促せていけた様に思えます。

 シャアの背景には、親であるジオン・レム・ダイクンがザビ家に暗殺され、ザビ家から逃げ隠れ、復讐のために人生の殆どを費やしてしまった物語もあります。

 暗殺された父であるジオン・レム・ダイクンの思想は、地球連邦軍による「人類の宇宙進出」への計画や、ジオン軍の始めた一年戦争(ファーストガンダム)等に都合よく利用されてもいました。

 人望があり愛人も居て、それでも孤独な気持ちのまま、シャアは逆襲のシャアの物語の最後に亡くなります。

(劇場版も小説版も死の描写はありませんが、ガンダムの公式な発表では、シャアとアムロはこの物語で亡くなっています。)

 物語の感想として色々と考えていると、もっとシャアには可能性があったように思え、それが心残りになります。

 それでも、このアムロとシャアの戦いである逆襲のシャアは、ガンダム本編の物語の区切り、という扱いになります。

 

 そして、この逆襲のシャアの物語は『閃光のハサウェイ』という小説にも続いていきます。

 逆襲のシャアの映画を見た人なら知っているでしょうが、ハサウェイはブライトの息子です。

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画像元:https://www.amazon.co.jp/機動戦士ガンダム-閃光のハサウェイ〈上〉-角川文庫―スニーカー文庫-富野-由悠季/dp/4044101310

 ということは、逆襲のシャアの物語の前後を深く理解・納得するには、閃光のハサウェイやハイ・ストリーマーの小説も読まないといけないのかもしれません。

 それ故の、未完成感だったのでしょうか。

 

 う~ん、この小説達を読むかどうかは、暫く保留ですねぇ(¨;